横尾 真 Makoto Yokoo

最近のトピック


研究概要

私の研究分野は,計算機科学,人工知能,特に, マルチエージェントシステムと呼ばれる分野です. マルチエージェントシステムとは,複数の自律的に動作する主体 (エージェン ト) から構成されるシステムです. これらのエージェントの相互作用のルール/プロトコルをどのように設計する かが,マルチエージェントシステムにおける重要な研究課題となっています.

協調的なエージェントから構成されるチームにおいては, プロトコルを実行することにより,エージェント共通の目的が達成できる プロトコルが必要となります.また,利害が対立するエージェントから 構成されるシステムでは,各エージェントが利己的に行動しても,なんからの 社会的に望ましい結果が得られるプロトコル/メカニズムが必要とされます. 前者に関して 分散制約充足問題 に関する研究を,後者に関して メカニズムデザイン に関する研究を進めています.


分散制約充足問題

複数の自律的なエージェントが同時に存在する場合, これらのエージェントの取り得る行動の間にはなんらかの制約があると考えられます. 分散制約充足問題とは, これらのエージェントが互いに制約を満足する行動の組合せを発見する問題です. この問題はエージェント間の協調を実現するための非常に基本的な問題であり, 複数エージェント間の資源分配問題,複数知識ベース間の整合性管理などの様々な応用問題を 表現することができます.

これまでに,各エージェントが全体を制御するエージェントなしに非同期,並行的に動作し, 完全性(制約を満たす解が存在するなら必ず解が得られ,解が存在しないなら, 解が無いことを発見して停止すること)が保証される,分散制約充足問題を解く 分散アルゴリズムの考案,アルゴリズムの高速化手法の検討を行ってきました. この高速化手法は 一つのエージェントが問題全体を解く通常の制約充足問題にも適用することが できます.


メカニズムデザイン

メカニズムデザイン(制度設計)とは,一言で言えば,複数の人間/エージェ ントがなんらかの社会的決定(商品・サービスの売買や政策決定など)をする 場合に, ある望ましい結果(例えば社会的な効率性/最適性)をもたらすよう な相互作用のルールを設計することです. 各エージェント(消費者や自治体住民など)は利己的であり, ルールを守ることは期待できま せん.このような状況で,ルールを守ることが各エージェントの利益となり,そ の結果,社会的に望ましい結果が得られるように,ルールを設計することが要 求されます.メカニズムデザインはミクロ経済学/ゲーム理論の一分野として研 究が行われており,近年,人工知能/エージェントの分野でも活発な研究が行 われています.

我々は, インターネットオークション/入札等の, 電子商取引等の場面で用いられ, 種々の不正行為に対して頑健であることが要求される メカニズム/プロトコルに関する研究を進めています. メカニズムデザインに関するもう少し詳しい紹介は こちら をご参照下さい.


この他, セキュア組合せオークションプロトコル,組合せ調達プロトコル, 不確実な環境下でのマルチエージェントプランニング等の研究を 進めています.